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京急蒲田駅付近、上り線の高架へ切り替え

京急蒲田駅付近連続立体交差事業の進捗に伴い、上り線を高架化します(京浜急行)

京急蒲田駅とその周辺の立体交差工事が佳境となった。
5月16日始発から、京急上り線を高架にするとのこと。
この工事、関東以外の人にはピンとこないでしょうが、周辺事情はかなり複雑。
京急蒲田駅空港線と本線の合流駅なのだが、空港線の糀谷-蒲田は単線。
しかも、急カーブをしながら蒲田駅に進入すると同時に、その場所で一国(国道15号線)を踏切で交差するのです。
仮にも都内の主要国道ですから、その交通量は計り知れず、大渋滞の原因となっています。
ですが、この踏み切り自体は、意外にも日本全国で知られてます。
それは毎年正月に行われる『箱根駅伝』でランナーが通過しますので、テレビに出てくるんですよね。
このときはランナー優先になります。
要するにランナーが全員通過するまで、電車が止まるんですね。


箱根駅伝が始まったころ、京急空港線は単なるローカル線だった。
羽田飛行場に入っていた路線は飛行場が連合軍に接収されたため空港内の路線も接収された。
そのあと、JR蒲田駅から線路が延ばされて、空港線と単線並列で運行された時期もあったが、その後も当面は穴守稲荷(後になんちゃって羽田空港駅まで延長)と蒲田の間を往復するローカル線だったのです。
名前は空港線ですが、大田区の羽田地区の地元民の足として生きているローカル線ですね。
私は糀谷に友人がいましたので、たまにあそびに行きましたが、当時は4扉に改造された500形が3両編成で走っていた路線で、500形廃止直前でしたね。*1
その後800形の3両編成に置き換えられましたが、1993年におっきく変わりました。
この年に天空橋(開業時は羽田駅)まで延伸して、東京モノレール乗り換えながらも羽田空港に再び到達できるようになり、名実ともに『空港線』となった空港線は、開業と同時に6両編成の車両が往来するようになり、同時に深夜や早朝を除いて全列車が品川方面との直通を開始しました。
これで、電車が倍増したため15号の踏み切りはパンク状態になります。


しかし、この道路交通はそれだけでは終わりません。
国道15号はこのすぐ近くで、都道311号線こと通称環八と交差します。
環八は東京23区の一番外殻にある一般主要道路で、東名東京インター、中央道高井戸インター(出口のみ)、第3京浜玉川インター、関越道練馬インター、さらには東京から放射状に伸びる主要道路や国道と交差し、且つ羽田空港に行く一般道路でもあります。
したがってとても交通量が多い道路です。
ほとんどの主要道路や鉄道とは立体になってますが、この環八は京急本線と踏み切りになってます。
そして踏切のすぐそばで国道15号と交差しますが、ここも立体交差になってません。
もちろん、立体交差にできないのは京急の踏切が近くにあるためです。
よって、このあたりは『京急本線環八踏み切り』『京急空港線国道15号踏切』『国道15号、環八平面交差点』のトリプル渋滞ポイントなのです。
地元民はもちろん、よほどの理由がない限りドライバーはここを避けますね。


この上り線立体交差工事で、京急空港線の上りと京急本線の上りが立体交差で踏切が解消されます。
また環八立体に関しては、すでに仮設で上り線が立体になってますが、これが本来の高架に移転すると仮設立体は下り線高架完成前に下りの立体として使用することになってます。
そうなると、京急本線環八踏み切りは無くなることになります。
さらに、この立体が完成したら今度は環八と国道15号の立体交差*2の工事に本格着手することになってます。
2015年あたりには工事もひと段落し、ここの道路事情も京急空港線-本線の連絡も一挙に様変わりしますね。
はたしてどんな未来になっているのでしょう。

*1:ちなみに500形は吊り掛け駆動だった

*2:国道15号が陸橋になる