走るんですは日本を席巻できるか?

まぁ席巻する必要はないのだけど、巷では走るんですの評判は良くない(といってもほとんどマニアだけだが)
しかしこの"走るんです"あれよあれよというまに関東での採用例が増えて、今では小田急、東急、相鉄、京急で採用した。*1
また、関西でも南海が採用している。
関東私鉄はこれ以外の会社は日立A-trainという、走るんですとは別の標準車両形式を使っており、こちらはJR九州、関西、そしてJR西日本東京メトロでも採用されている。
要するに電車の標準化車両はいま『日立vsJR東日本』というような時代になりつつあるのか?


そんな"走るんです"は色々なものを簡素化、効率化、などをして省エネや製造費の削減などの効果を出している。
しかし、正直"個性"という点と"乗り心地"では受けが悪い。
特に個性派な車両が多い関西では、"走るんです"がえらく嫌われているようで、よう掲示板とかでも見ます。
さらにJR西日本国鉄見本市などとも揶揄されるようなくらい、国鉄時代の電車がたくさん走っています。*2
関東はすっかり"走るんです"に席巻され、国鉄時代最後の車両の205系も風前の灯火となっているのに、いまだに103系が走っている様は鉄道マニアからは人気の的となっていて、たまに遠征してくるファンもちらほら。


しかし、"走るんです"の効果は国鉄車両以上に大きいようで、JR東日本では電気代削減、車両メンテナンスの工数大幅削減。
車両製造コストの削減により、車両導入費用の大幅削減。
リサイクル材料の使用と、廃車後のリサイクル化の提供拡大。
車体軽量化による線路設備への負荷低減など、その効果は複数に表れ、且つ広範囲に及んでいる。


昨今の京都議定書などにより、企業にはCO2の年間削減効果の報告が義務付けられた*3
この上記の"走るんです"の効果は全てこの環境系の京都議定書に定められた法律に合致している。*4
いわば、時代が生み出したトレンドが、この"走るんです"シリーズであり、A-trainシリーズという事になる。
大手私鉄の中古車を導入して賄っている地方私鉄以外は、この流れに乗るしかないという現状だと思う。
今後は"走るんです"を含めた車両の標準化が進むのだろうと思っています。


その代わり"個性"はかなり失われる事になるだろうが、それが出来ないと鉄道経営を圧迫するなら、もう廃れていくしかないというのが世の流れ。
いまだに国鉄車両を使っているJR西日本はマニアには人気でも、国内ではかなり遅れているという事になる。
これは私が言うまでもなく、JR西日本自身が良く分かっている事だと思います。
225系の導入をして何とか置き換えを計ってますが、如何せんJR東日本の1/10以下しか利益がない*5JR西日本は、規模だけはJR東日本に匹敵するのですから、その資金捻出がとても大変な事は、マニアだけでなくても一般の人でも分かる話。
単純に『JR西日本は置き換えたいんだけど、底まで置き換えができるほど贅沢じゃない。』というのが本音だと思う。


鉄道会社は決してマニアの集団ではなく、普通の企業と同じ会社*6であり、会社というのは"利益の追求""社会的モラルの規範"というのが目的です。
そのための手段が鉄道を使って利益を出すのであって、決して鉄道が好きだから電車を走らせているわけではないという事を、最近の一部のマニアは忘れているのかもしれない。


最後に個性がないから、私は"走るんです"がイマイチ好きになれない!!


うん、見事にぶち壊したww

*1:京急新1000形6次車以降、東急5000系シリーズ、小田急4000形相鉄10000系と11000系

*2:103系がまだ大阪圏で見られる

*3:通称コンビニ法案

*4:ISO14001の仕様規格による

*5:JR西日本は東急や近鉄よりも利益は少ない

*6:3島は特殊会社