『鉄娘な3姉妹 4』についての解説?

鉄娘な3姉妹 4 (サンデーGXコミックス)

鉄娘な3姉妹 4 (サンデーGXコミックス)

毎回恒例の?解説です。
いつもどおり、ここではテツ向けではなくテツではない人に解説する方向でやっていきます。


19番線 P20

『電車?』

テツにとっては基礎中の基礎。
19番線は『ひたちなか海浜鉄道』が舞台です。
この鉄道は非電化ですので当然ながら"電車"は走っておりません。
ディーゼルカーが走っておりますが、テツはディーゼルカーを電車とは呼びません・・・というより意図的に呼ばないようにするこだわりがあります。
テツは大抵"気動車"と呼びます。
テツはこの呼び方、非テツの他人が言っても結構気にするんですよww漫画のようなことは実際にありますww
しかし、ここから先は意外とテツでも知らないこと。
ディーゼルカー気動車ですが、その逆は成り立ちません。
つまり気動車ディーゼルカーではないのです。
日本鉄道オタク定義法wwwwでは、電車は『電動客車』を略して電車といいます。
ということで明確な分類がありまして、気動車にも定義があります。

気動車・・・自走できる内燃機関を装備した客車

これが気動車の定義です。
電動客車=電車は『外部から電気の供給があれば自走可能な客車』に対する定義です。
つまり内燃機関を持っている客車であれば、それは全て気動車になります。
今の日本国内にはディーゼルエンジンを装備した内燃機関自走客車しかありません。
あとは2種類の動力を応用したハイブリッドのみです。
なので現在は気動車ディーゼルエンジン搭載車両しかありませんが、かつては蒸気で動く客車。
そして悪名高き事故を起こしたガソリンで動くものにガスタービン式もありました。
蒸気は石炭燃焼効率の悪さと石炭自身の高騰など。
ガソリンはもちろん危険性から、ガスタービンは燃費の面で普及せず、元々効率の良かったディーゼルエンジンが今あるのです。
なので、気動車は一応これら全て含めてさす言葉です。
さらに分類すると、ディーゼルカーは"ディーゼル動車"と呼びますが、まぁ非テツの人がそうまで気にするかというと、心底どうでもいいかと思いますww



21番線 P85

上白滝駅

ここは本当に列車が上下1回しか停車しません。
といっても、列車は定期列車だけで『特急オホーツク』や『特快きたみ』に数本の貨物列車は通過します。
その中で唯一停車する朝の下り1本と夕方の上り一本のみ。
どうして下りは朝でのぼりは夕方なのか。
それには理由があります。
まず、車庫のある旭川から朝に網走まで行きます。
そのままその車両は網走近郊のローカル輸送を数往復して、夕方に車庫のある旭川に帰るのです。
この往復で上白滝を通りますので、ついでに客扱いをするという輸送形態です。
こういった車庫への行き帰りをかねて、その途中の区間で客扱いをすることをテツ用語で『送り込み(運用)』といいます。
こういった運用は全国どこにでもあります。


たとえば、日本で1編成しかない、JR東日本123系は普段は塩尻-辰野の中央本線のローカルをやっています。
しかし、この123系は松本の所属で、夜は松本に停泊します。
この123系は朝に松本から始発列車として辰野に向って、そのまま松本に帰らず塩尻と辰野の間を数往復するのです。
そして夜に松本の車庫に帰るために松本行きとして車庫に向うついでに客扱いをします。


小田急では1000形の赤色編成をローカル運用として新松田-箱根湯本を運転してますが、この車両は海老名車庫の所属ですので、足柄駅停泊以外は海老名から出発して海老名に帰るダイヤがあります。


さがせば色々あるのですが、そういった運用で面白いのがいくつかあります。
いずれ送り込みなどをかねて面白い事をやっているところがあれば別に紹介したいと思います。


22番線 P108

『スカイライナー新AE形』

2010年7月に開業した成田スカイアクセスの目玉として登場した、日暮里-成田空港を36分で結ぶのが、この新AE系で運行されるスカイライナー。
スカイアクセスとして建設された新線区間では、在来線では国内最高速*1の160km/hという俊足振りです。
ところで、京成電鉄をいつも使っている方はご存知と思いますが、京成電鉄にはこれ以外に普通の通勤車両で運転される"特急"が存在します。
さらにその特急よりも上野『快特』なるものまで存在して、わけが分かりません。

はたしてスカイライナーは特急なのか急行なのか?一体なんなのか?

という事を考えた人はいませんか?
ということでお答えしますwww
スカイライナーはスカイライナーです。


『なめてんのか!!』というツッコミはさておき、これ事実です。
元々京成には特急という種別があるようでなかったのです。
開運号とか色々企画で走った事がある特急はありましたけどね。
特急が走り始めたのが1968年のことで、この年にライバルの総武線での快速運転が開始されています。
これにあわせたとは思えないが、本当に怖いのはこの4年前の出来事で、東京5方面作戦という国鉄の輸送力増強作戦が発表されました。
これには総武線複々線化の構想があり、京成はこっちを恐れていたのではないかと思います。
総武線複々線化は1972年完成して、この年から総武快速線が走り始めますが、その4年前に特急を登場させていたにも関わらず、京成は惨敗でしたね。
そんな京成は細々と特急を走らせていますが、転機が訪れたのが成田空港の開業でした。
これにあわせて京成はAE形車両を投入します。
これが初代スカイライナーですが、困ったことに既に特急は京成を走っており種別名前がありません。
ということでスカイライナーをそのまま種別にしてしまったという事です。
それと、鉄道ではよく〜系とか、〜形とか車両形式をつけていますが、スカイライナーに充当される車両はAE形と呼ばれています。
これも珍しい形式名称で、京成の通勤一般車両は3000形、3300形、3500形など、普通の私鉄形式名称のつけ方ですが、スカイライナー用の車両だけは最初から『AE』とつけます。
ちなみにAE形とは"Airport Express形"の略式だそうです。
なんとも安易なつけ方ですね。
4巻でも言及されていたJR東日本のN'EXとの勝負ですが、時間では勝っているにも関わらず、利便性で有利なN'EXに今のところリードされている模様です。
ただし、N'EX以外のJRの列車は本数が少ないため鉄道会社としての成田空港輸送は、京成のほうがJR東日本よりは多いようです。



しかし、鉄道としてみた場合鉄道の輸送シェアはバス等の自動車交通に惨敗だそうです。
まずはこれをどうにかしないとね。

*1:北越急行"はくたか"と並んで在来線日本一