昨日のこと

3/24は朝からノドが痛くて寝込んでしまいました。
熱はなかったのですが、寒かったので風を引いたのかもしれません。
大事をとって今日もゆっくりいたします。


昨日ですが、JR西日本が部品調達の関係で減便する事を書きましたが、部品調達先の場所が『福島県の浪岡』と書いてしまったことに気がつきました。
正しくは『浪江』ですね。
地元の方大変失礼しました。


先ほどテレビのNEWSでもこのJR西日本の減便について触れられていました。
その最中に当該部品の絵が出てきたんですね。
で、その部品を見たのですが、端から見ると基板で固めて電子素子を組み合わせた電子機器部品であるように伺えました。
モーター回転系等に使うとか書かれていたので、てっきり物理的構造構成部品と思ってましたので『これは大変だ』と思いましたが、電子機器部品であればそこまで大変ではないかな。
中身はわかりませんのでなんともいえませんが、日立化成がオリジナルの電子素子を使っていなければ、同等品の製作は他社でも可能でしょう。
また、物理構造部品でないならば、物理耐久が不必要になりますので、安全性の確認も比較的短期間で終えられると思います。
ところで、一般的に4M*1と呼ばれる製造業の基本要素ですが、これを変更するには、最終顧客がOKをだす必要があります。
そして部品を他社に変更する場合は、最終顧客は所轄の省庁に変更届けを出す事が必要です。
ですが、その許可には安全性の確認が必要です。
で、安全性確認は一体どういうものがあるかと言うと、大きく分けて4つあります。

1.性能確認(特性確認)
2.組成確認
3.物理性能確認
4.耐久性

この4点で4M変更必要度合によって変化します。
しかしながら、絶対なのは1の性能と4の耐久です。
この2点は部品かかわらず確認しますが、厄介なのは耐久性能です。
この耐久は一番時間がかかる項目なんですが、4Mの変更ではもっとも重点を置かないといけない項目でもあります。
その耐久性が厄介なのは時間に加えて要素の分岐が非常に多いのです。
耐久で見ないといけないのには以下の項目に分けられます。

1.物理的劣化
2.性能的劣化
3.限界
4.環境変化

そして、これらにあわせて試験がたくさん設けられおり、多岐にわたって調べないといけません。
これが結構面倒なのですが、これをやらないと基本変更が認められません。
で、最初の話に戻りますが、一番大変なのは1の物理劣化で、これが一番時間がかかる厄介な試験です。
しかしながら、電子機器部品は物理的に動く部位がありませんので、この項目がないのですね。
それだけ短期間で安全性の耐久確認ができるかと思います。
私は電子機器系の試験担当ではないので、そこまで専門知識を持っていませんが、電子機器の場合はIEC規格準規でJISで規格が決められています。
これといくつかのEN、DIN、ISO規格をプラスすれば、安全性の確立は短期間で済むかと思います。
具体的なところだと、防水、防塵、高圧洗浄、環境複合サイクル、熱衝撃、EMC。
それから物理衝撃に電気負荷。
最後に基本特性あたりでしょうか。


これらをイツまでに終えられるかに、JR西日本の部品交換サイクルの未来がかかっているのかなと思います。
まぁ、私の本業が一般検査員であるから、こういったことで見方ができるのですが、普通の人は分からないし知らないよね。
電気的な専門の検査の人はどこまでやるのかな?


で、実際に調べたのですが、電車用のカーボンブラシ(電極)だったのですね。
カーボンブラシは一般的に消耗品ですが、古いタイプの電車にしか使われないと言う事は確かに、この部品だったらありえます。
メーカー変更も難しくはないのかなと思ったのですが、電極なので物理的に接触がありますね。
となると、物理磨耗の劣化試験はやらないといけないのでは?
防水や防塵、EMCはやる必要はないかもしれないけど、部品交換時期以上の耐久性の確認が必要になると思います。
まぁ、台上物理加速耐久でいいと思いますけど。

*1:人、機械、材料、方法または工法