棺姫のチャイカ

棺姫のチャイカI (富士見ファンタジア文庫)

棺姫のチャイカI (富士見ファンタジア文庫)

暗殺から盗み果ては悪評の流布まで、いわゆる戦争の汚れ約を一手に背負う「乱破師」
トールは妹のアカリともども乱破師として修行してきたが、活躍の場もなく戦乱の世は終わった。
そのために気力をなくしたトールはいささかニート気味。
そんなトールは食料探しに入った山の中で、大きな棺を背負った少女チャイカと出会う。
この出会いが今後どんなことになるのか?


ラノベ界の大御所榊一郎先生によるシリーズ。
何でも正統派ファンタジー・・・とは程遠いww比較的ラノベでは稀有な部類の作品になっているのでは?
しかし、書いているのはあの榊一郎
ただの稀有な作品で終わるはずがない。
なんというか、読者をひきつけるのはキャラへの移入が肝の物ラノベだけに、読者に如何に感情移入させるかは著者も悩むところだが、榊一郎先生クラスになるとキャラへの移入というより、キャラの移入以上にその背景などが見えてしまうような感じにさせられてしまうのが特徴。
ほかの作品も創だけど、やっぱり榊先生の書くキャラクターは目立つとかすごいとかじゃなく、一言でいえば「人間味」あふれるキャラ。
地味ながら、生活があり、一生懸命生きている人々が描かれている。
この作品もそんな感じ。
トールにしろアカリにしろ、そしてチャイカにしろさらには敵にしろ、普通の人間とはちょっと能力や背景が少し違うのだけれども、なぜか人間味を感じてしまうキャラ描写は、ラノベでは榊一郎先生以外にできる作家さんは、そうそういないと思います。
そんな人物が繰り広げるチャイカという物語が、今後どのように向かうのか続きが楽しみです。
すでに3巻も出るようなので、早く2巻を読まないとね。


評価:★★★★