咲-Saki-第13話『微熱』に出てきた麻雀用語の解説

咲-Saki-第13話『微熱』に出てきた麻雀用語、および第13話であった麻雀独特の現象の解説です。


番組開始9分30秒

実況『特急券だ!』

特急券
JRでは特急に乗るには、乗車券のほかに特急券が必要。
これは特急の部類に入るもの全てに該当する。
特急というのは、豪華で早いものというイメージがあるが、この早いの部分に対する言葉。
麻雀でこの特急券というのは、早い段階で役牌を鳴くこと(または手の内で3枚そろえること)を指す。
役牌は3枚そろえた時点で"役が確定”するので、特急を利用するように早くあがれるところから、特急券と呼ぶことがある。
今回は三元牌であるをいきなり鳴いたため、特急券という言葉が出てきた


番組開始9分48秒

龍門淵透華『ツーフーロ

ツーフーロ
これは『ツー』と『フーロ』に分かれます。
麻雀にはポン、チーなどをしない状態を門前といいますが、鳴いた場合これを麻雀用語で書くと『副露』といいます。
『副露』と書いて『フーロ』と読みます。
つまりポン、とかチーをしたりすることを、麻雀の専門用語的に言うと『フーロする』と言うんですね。
それで、中国語が多い麻雀ですが、『ツー』は『TWO』です。
つまり英語ですw
つまり2回鳴いたことです。


番組開始11分27秒

京太郎『対子が5つ、鳴いてトイトイかな』
優希『対子が5つは、チートイツのイーシャンテン。暗刻がないこの手はトイトイよりチートイだじょ』

今回の和の手牌
  (ツモ)  
対子が5こ揃っていると、実はチートイツはあと一枚でテンパイになる。
これがトイトイだと、鳴こうが鳴かないだろうが、最低でも3回の有効牌交換が必要になる。
したがって、即効で攻めるならチートイツの法が有利だ。
実際に原村は、チートイツに持っていった。


番組開始14分18秒

咲-Saki-の物語としての最大の問題シーンの検証
これは例の原村のチートイツのテンパイリーチ直後、一発で当たり牌をツモってきた龍門淵透華。
ここで、龍門淵透華はこれをあたり牌と感じて捨てなかった
じつはこのシーン、いろいろなところで賛否両論が吹き荒れています。
まず、このですが、既に龍門淵透華自身が1枚捨てているため、残り3枚。
そして、原村和は南家なのではオタ風。
しかもこんな速攻技で攻められたら普通はツモギリでしょう?
少なくとも、私個人はそう考えてしまいます。
そして、原村和に一発を喰らうわけだw(出来れば食らわせたいがw)
ということで、龍門淵透華がどういう風に考えてを捨てなかったか。
それはただひとつ『原村和はチートイツでの単騎待ち』を完全に分かっていたとしか思えない。
では本当に龍門淵透華は和がの単騎待ちだということが分かっていたのか。
それはその可能性はあるということ。
龍門淵透華は『のどっち』となんども対戦しており、傾向をつかんでいた可能性がある。
即効でリーチしてきたら、チートイツの可能性が確率が高いのではないか?

実際に龍門淵透華は和がチートイツで待っていると仮定したとする。
チートイツは絶対に単騎待ちになるので、まつ牌は出やすいものでなければいけない。
となると、単騎待ちで出やすいのは『字牌』『スジ』などになる。
チートイツと龍門淵透華が決めてかかったなら、が危険牌だと考えるのも納得できる。

『のどっち=原村和』と確信している龍門淵透華の読みが、原村和がチートイツでテンパイしているという確信を持たせたことによる、勘がさえたシーンだと私個人ではそう判断しました。

それにしても、原作者の小林立さんは、やたら字牌のションパイとか、単騎とかにこだわりますね。
なにかいやな経験でもあったのでしょうか?


番組開始19分23秒

京太郎『そうか!フリテン

フリテン
チョンボのひとつ。
相手からあがってはいけない牌であがると、このチョンボが付く。
フリテンの対象となる牌は大きく分けて3種類。

(1)リーチしてようが、していないに関係なく、自分の捨てた牌
(2)リーチした後に捨てられた全部の牌
(3)リーチしてない場合、同順内で見逃した牌を他の人からあがる

今回の和の場合は(1)が該当する。
和の手牌

このような状態。
待ち牌はの4種類のタメンチャン。
しかし、原村和自身がを捨ててしまっているのである。
さて、フリテンで気をつけてほしいのは、ガリ牌の中にひとつでもフリテンの対象牌があった場合、全てがフリテンの対象になるということ。
つまりを捨てているために、でもロンあがりが出来なくなってしまったのだ。
ところで、麻雀ルールでは『フリテンはツモあがりはOK』というルールが一般的。
だから、あがり牌を原村自身がツモってくればいいのであるが、

風越の大きいひとwがすでにをポンしている。
これですでには3枚が消えてしまっている。
[は原村自身が1枚捨てているので、これで4枚使われており既にない。
は原村の手の内に1枚あるので、すでのこちらもなくなっている。
も原村の手の内に3枚あるので、残り1枚。
東横桃子が一枚捨てているので、残り一枚。
なんと あと2枚しかない。
これは、かなり厳しい状況だ。
普通ならを安全牌にして降りるだろうが・・・。

東横桃子が4枚目となる最後のを捨てた時点で、原村はすばやく手牌を変えた。

                
  (ポン)
ここでをポンしてを捨てたのである。
これで待ち牌がの5種類に変化した。
ただし、この形態に持っていくときにを捨てているのでフリテン状態なのは変わらない。
しかし、視聴者から見えている範囲では(龍門淵透華と東横桃子は手牌が分からなかった)
は原村が捨てた1枚と東横桃子が捨てた2枚なので、残り1枚
は原村が持っている1枚なので残り3枚
は原村が持っている1枚なので、残り3枚
は風越の大きいひとが捨てた1枚と原村が持っている1枚なので、残り2枚
は風越の大きいひとが2枚持っているので、残り2枚
なんと、合計11枚もあるのです。
これならば、ツモアガリも充分期待できます。
そして

原村和『ツモ!

ファンパイ、ドラ3で満貫。
お見事!!


番組開始21分23秒

実況『原村以外が焼き鳥状態!!』

焼き鳥
麻雀でゲーム開始から終了時まで一度も上がれなかった状態のことを『焼き鳥』という。
一般的に焼き鳥になった人は、ゲーム終了時に焼き鳥でない人に対して、罰符をしはらうルールがあるが、ギャンブル的な要素が強いので、おそらく咲-Saki-競技麻雀ルールでは焼き鳥罰符は設定されていないとは思う。
ただ、罰符ルールがあろうと無かろうと、あがれていない人のことを焼き鳥と呼ぶことはある。
今回は原村以外がまさにその状態という珍しいことなので、思わず実況が口にしたのだろう。

この焼き鳥の由来ですが

鳥は本来飛び上がれるが、焼き鳥は飛び上がれない

という説があります。
また、こんな説もあります

焼き鳥はゲーム終了してから、さらに点棒をむしりとる
焼き鳥にする鳥は毛をむしりとるから。

というのもありますが、実際には諸説色々あるので分からないというところが本当でしょう。