ネタバレ容赦なし 咲-Saki-第6巻 その3

さて、このシリーズも第3弾。
前回で咲ちゃんの猛攻が開始されましたが、今回も炸裂するのか?!
以下かなりネタバレです、アニメオンリーの人、まだ6巻を読んでない方はここから先は読まれないことをお奨めします。

咲 Saki (6) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (6) (ヤングガンガンコミックス)

第47局 安手
点差が異常にあるのに、2連続で安手をあがり、まわりだけでなく嫁まで心配させた咲。
しかし、安手の攻勢はまだまだ続く。
こんどはあの伝説の70符二飜を超える、ある意味すごい手だ。
南二局 親:天江衣
ガリ咲、天江衣からロン
       (ロン)
なんと前代未聞ののみ。
しかし符は110符という110符一飜というものすごい手をあがった。
ドラすら載らず、これぞ究極の安手。
一飜で出きる限界の高い符が110符なのです。

さて、これがどのぐらいすごいのか、考えて見ましょう。
まず、あがったときにつく符ですが、副邸(フーテイ)が20符つきます。
しかし、110符ということは最低102符ですから、さらに82符の加算をしないといけません。
さて、ここからどのようにして82符以上も加算するのか?


手っ取り早いのは槓子をそろえることです。
しかも么九牌の暗槓32符ですね。
これを3回すれば32符×3=96符。
もしくは暗槓2回と么九牌の明槓16符で、これでも80符ですので、あとなにか適当に2符くっつければ簡単です。

しかし、カンを3回した場合『三槓子』という役がつきます。
この役は二飜ですので、既に110符一飜を満足できません。
したがって、么九牌の暗槓は2回が限界です。

よって、么九牌の暗槓2回で64符。
20+64=84符となり、あと18符必要になります。

さて、次に刻子をそろえるのはどうでしょう。
么九牌の暗刻は8符です。
しかし、ここで気をつけなければいけません。
刻子を暗刻でもっている場合、暗槓2回をしていることが前提ですので『三暗刻』が付いてしまいます。
ということですので、暗刻は絶対にNGです。
では残りを全部明刻にすればいいじゃんと考えると、こんどは『対々和』がつきますので、やっぱりダメです。
この時点で、暗槓2回以外の手持ちは刻子は明刻で持つことが前提で、しかも役が絡みにくい順子をひと組み入れないといけません。
ということは組み入れられるのは、最低么九牌の明刻が一組が限界
これで20+64+4=88符となります。

では門前ロンアガリならどうでしょうか?
門前ロン上がりは10符の加算があります。
これをやったとして
20+64+4+10=98符
あと4符足りません。

最後の望みは対子しかありません。
対子で符が付くのは自風牌三元牌、場風牌のみ。
これらが2符つきます。
これで20+64+4+10+2=100符

あと2符たりない・・・!!
残念ですが、この100符が一飜で出きる最高符の限界だったのです。
これ以上はできません。
では、『102符なんて、本当は出来ないんじゃない?』と思ったあなた、咲ちゃんはそれを超えてしまったのだ!!
それはアガリ牌のの対子に秘密があります。
場は南二局で、親が天江衣。
つまり咲ちゃんはみなみけ(南家)なんです。
ということは自風牌と場風牌が重なる『連風牌』になるのです。
この連風牌ですが、飜牌で二飜付くということは前にも説明しましたが、符に関してもじつはこんなルールがあります。

風牌の対子は4符とする

これが咲-Saki-競技麻雀ルールでは採用されています。
よって、対子が2符ではなく4符となり、
20+64+4+10+4=102符 ⇒ 切り上げで110符
ということになるのです。
そのときの竹井久のセリフ

久『連風対子を4符で扱うルールじゃないとねぇ』

と言いますが、これはこのことだったのですね。
つまり

(1)么九牌の暗槓を2回する
(2)么九牌明刻を1組だけにする
(3)連風対子にする
(4)門前でロンアガリする

この4項目全部満足しなければいけません。
ということは(5)自分の席が連風牌であることも条件のひとつです。
咲ちゃんのあがりのかたち
       (ロン)
これはで上がりのシャンポン待ちですが、絶対にをロンアガリしないと、110符が成り立ちません。
ここでであがってしまうと、の対子には符がつきませんので、合計98符です。
また、ツモアガリだと三暗刻がつきますので一飜になりません。
というより、必ず(6)連風牌と么九牌のシャンポン待ちにして、さらに(7)連風牌の方であがってはいけないのです。
これは相当難しい・・・と言うか天和や純正チューレンポウトウ以上に低い確率だと思いますよ。
しかも絶対的に狙わなければいけない条件が7種類もあって、それをやってしまう咲ちゃんって何者?





咲-Saki-の歴史が、またひとつ