ここ最近の鉄道の話題

・新型通勤電車の導入を決定
JR北海道は新型通勤電車735系の導入を決定した。

新型通勤電車の開発について(JR北海道 pdf)

今回の新型通勤電車は731系をベースにしてますが、その最大の特徴はアルミ合金であること。
アルミはステンレスや鋼鉄と違って、軽い材質です。
延材能力に優れ、ステンレスほどではありませんが、鋼鉄よりはさびにくい材質です。
また、鋳物で作れるため型さえあれば、色々な形のものを簡単に製作でき、且つ材料費が安いので使い勝手がいい素材です。
既に首都圏ではアルミ車体による地下鉄車両などもありますが、JR北海道は初めて導入となります。


これだけいい素材であるのに、意外と普及していないのには理由がいくつかあります。
まず、その材料強度です。
伸ばしたりする延環性能はいいのですが、耐衝撃には非常にもろく、特に瞬間衝撃性能に関しては非常にもろいです。
ジュースの鉄缶とアルミ缶がありますが、アルミ缶は人間の手で簡単にグニャっと行きますよね。
つまりはそういうことです。
アルミは大きな一転集中型の物理衝撃性に対しては非常にもろいのです。
鉄道車両である以上、踏切での衝突の可能性はありますし、実際にJR北海道は特急車両のスーパーカムイ789系で、ダンプと衝突事故を起こしたばかり。
あのときの789系の正面の破壊のされようはすさまじいものです。*1
これがアルミ車体だったらとんでもない事になります。
しかし、この735系ですが正面はそこら辺を考慮して鋼鉄になっています。


次に熱膨張に関する問題があります。
熱膨張は温度あたりに対する、物質そのものの体積変化率のことです。
数字が大きいほど温度変化で体積比が変わると言う事です。
ステンレスは17、鉄は12ぐらいですが、アルミニウムは23くらいあります。
つまりそれだけ気温に対して大きく膨らんだり縮んだりします。
北海道の場合冬季の厳しさは、地元民にしか分からないようですが、冬季において余りの寒さでアルミが収縮し、継ぎ目に隙間が開く場合があります。
このため北海道の車両では致命的な防温効果が失われる可能性もあります。
また、アルミニウムそのものの断熱材としての効果もわかりませんので、そのあたりも考慮しないといけません。
なので、この735系は冬季の断熱効果を確認するための実験車両としての側面もあります。
冬が厳しい冬季は実験車両としてアルミ車体の実験を繰り返しますが、夏季は普通に営業車両として走ると言う、特殊な運用形態をする事になっています。
今回導入されたのは3両編成2本ですが、実験結果によって増えるか増えないかどういうことになるのでしょうか・


武豊線電化決定
JR東海は2015年を目途に武豊線19.3kmを電化する計画を発表した。

武豊線の電化について(JR東海)

武豊線たけゆたかじゃないよ)は1886年に開業した、じつは愛知県では一番古い路線。
近年は名古屋近郊路線としてJR東海になってからの発展は著しく、JR東海最高級かもしれないww近郊型気動車キハ75で運転されている。
名古屋近郊区間では、亀山以南の紀勢線、岐阜からの高山線などが非電化区間で残っているが、武豊線は愛知圏内唯一の非電化路線で、武豊線電化により愛知県の定期旅客列車が走る路線は全線電化が完成する。
奈良県、神奈川県、東京都、大阪府沖縄県につぐ6番目の都道府県となる。*2
今回の電化は高山線気動車老朽化が絡んでいるとのこと。
高山線気動車の置き換えをどうしようかというところで、この武豊線キハ75の転属案が出た。
そして武豊線に新型気動車を導入するか、電化して電車を投入するかで検討したところ、電化して電車にしたほうがコストパフォーマンスが良かったという事。
これで、名古屋近郊区間はほぼ電化が完成し、快速みえと特急ワイドビューひだ、ワイドビュー南紀以外はほぼ電車運転に成、柔軟な電車運用ができることになる。

*1:789系は衝撃吸収構造のためあそこまでなったのですが・・・

*2:神奈川県と東京都は定期気動車列車も存在しない