モーレツ宇宙海賊のネタ・・・は古臭い?

久しぶりに楽しく見ているアニメ「モーレツ宇宙海賊」ですが、この作品ところどころにネタがしこまれているのですが気がついた人はいるのかな?
ネタといえば、今放送中の「這いよれ!ニャル子さん」が有名(というよりこの作品、アニメも原作もネタだらけだが)ですが、このネタって実は使う人によってまちまちなんです。
特に影響するのは趣味嗜好、そして性別年齢などにも影響されます。
原作の笹本氏は生年について自著で明かしており、私よりかなり年上の方であることが分かっています。
また、アニメ監督の佐藤氏についても笹本氏いわく「同世代」。
実際に調べたところ、笹本氏と1つしか年齢が違わないようです。
この年代の方は丁度「宇宙戦艦ヤマト」ブームにアニメを見だしそうな年ごろに達しており、両者ともそれをまともに受けているようです。


では、モーレツ宇宙海賊でネタと呼ばれる物にはどんなものがあったのか?
第1話

梨理香「宇宙の海は」
ミーサ「俺の海」

なんか合言葉みたいですが、これはネタですww
元ネタは「宇宙海賊キャプテンハーロック」の主題歌「キャプテンハーロック」の歌詞です。

キャプテンハーロック

この歌1978年に発売されていますので、結構古いですねww
歌っているのは我らがアニキこと水木一郎さんです。


ちなみに、このネタ原作の第1巻にも書いてありますので、笹本氏が書いたネタになりますね。

ミニスカ宇宙海賊1 (朝日ノベルズ)

ミニスカ宇宙海賊1 (朝日ノベルズ)


第5話

ジェニー「本文、馬鹿め」

オデット2世に電子攻撃を仕掛けてきた相手にジェニーが返信した文章。
これは第2次世界大戦中に連合軍として参加していたアメリカ軍将校が、圧倒的に勝るドイツ軍の降伏勧告に対して返信した文章です。
もちろんアメリカ軍将校が日本語で「馬鹿め」と書いたわけではありませんよww
その時の内容は「Nuts!」と返したとのことです。
スペースアルクやどこかの英和辞典で調べてください。


しかしながら、このモーレツパイレーツではこれを元ネタにしたわけではありません。
これをもとにオマージュとしたアニメがありますが、それが「宇宙戦艦ヤマト」です。
圧倒的戦力をもつガミラス艦隊からの降伏勧告に対して、ヤマト艦長沖田十三が返信したのが「馬鹿め!と言ってやれ」でした。
モーレツパイレーツのこのシーンは、こちらを元ネタにしているかと思います。


ちなみに、このネタも原作第1巻にあります。
ということは、これも笹本氏によるものですね。

ミニスカ宇宙海賊1 (朝日ノベルズ)

ミニスカ宇宙海賊1 (朝日ノベルズ)



第16話

茉莉香「茉莉香、感激!!」

カレーを食べる際に発するこの奇声ww。
元ネタはTV−CMのハウス食品バーモントカレーで、西城秀樹が言った言葉です。
1973年のことですが、西城秀樹はこの後足掛け12年間もハウスバーモントカレーのCMを続けますので、結構長い期間やっています。
世代的にも広がりが大きいかと思いますので、知っている人も多いかと思います。
なの、このシーンは原作にはありませんので、佐藤竜夫氏以下、アニメスタッフによるものかと思います。


第8巻

ミニスカ宇宙海賊8 紫紺の戦魔女 (朝日ノベルズ)

ミニスカ宇宙海賊8 紫紺の戦魔女 (朝日ノベルズ)

ジャッキー「昔の偉い人が言っていた。戦闘は二手、三手先を考えておくものだ」

これは原作の208ページにあったジャッキーのセリフ。
この後リンが「誰の言葉?」と聞きますが、具体的な名前は出てきません。
その代わりジャッキーの回答は「さぁ、誰だったか、確かエースパイロットあがりの艦長じゃなかったか」
ということですが、ここまで書かなくても分かるかと思います。


これは機動戦士ガンダムの第5話でシャア・アズナブルが言ったセリフです。
ホワイトベースを大気圏突入前に叩けない場合、あわよくばジオン軍勢力下に誘い込む2段構えの作戦を実施した後に言った言葉です。
ちなみにこの放送は1979年となります。


以上が主なネタですが、ほとんどが1970年代です。
この時代は1960年代から行われているアポロ計画があり、1968年〜1972年における月面着陸があり、SFが流行していたころです。
その後、SFが主流となったアニメ界。
1978年には日本でスターウォーズの公開もありました。
一番SFがはやっていたのがこの時期だったろうと思います。
当時少年から青年への移行期だったと思われる、笹本氏と佐藤氏に多大な影響を与えたのが、丁度この時期にあった数々のSFアニメや映画だったのでしょう。


ネタは古くても、今でも通用するこれらのネタを大切に大事にとっておいて使える環境は、ある意味幸せなのかも。