最近の『ちょっと変った特殊な定期券』事情

鉄道会社も不況や高速道路に少子化を受けて、年々利用者が減少。
それに応じて減収になってます。
会社側も工夫を凝らして、あれやこれなサービス展開をしてますが、今回はそんな中から『変った定期券』を紹介します。
2種類のルートが選べる特殊な定期券
By 西武鉄道


西武鉄道では2種類のルートが選べる特殊定期券を販売している。
2010年4月1日から発行する『メトロ、西武どっちも使える定期券』もその一つ。
これは、練馬-池袋の間を西武池袋線か、西武有楽町線-小竹向原経由メトロのどちらも使えるようにする特殊な定期券。
詳細はこちらで

池袋駅〜練馬駅間を西武線でも東京メトロ線でも1 枚で乗車できるPASMO 定期券を発売いたします。
(西武鉄道、リンク先はpdf)

この区間は両方利用したいという人が多いため実現したもの。
朝は地下鉄直通でそのまま都心に向うが、帰りは始発駅の池袋から座って帰りたいという人。
普段は地下鉄直通で通勤しているが、休みの日は池袋に買い物に出たい人。
いろいろいると思います。
そういった人にはうってつけの定期券じゃないでしょうか?
発売可能なおもな条件は

・池袋から都心方面にメトロを利用する2社連絡定期券を持っている
PASMOのみ発売
・通勤定期のみ

詳細は先の西武鉄道のpdfファイルの方が詳しいのでそちらを見た方がいいでしょう。
ちなみに、この定期券の愛称も募集しているそうです。

みんなで決めよう!!新しい定期券のネーミング
(西武鉄道)

投票形式で5種るの中から選ぶのだが、すごいネーミングセンスだな。

「ニコトク定期」
「だぶるーと」
「ツーウェイ・パス」
「どっち〜モ!」
「どっちも定期」

なんだろう・・・。
あえて何も言うまいw
それにしても、A賞、B賞の賞品がサンシャインプリンスホテルがらみは、いかにも西武鉄道らしいなと思ったが、D賞の『サクマ式ドロップ』とのギャップもすごいなww
ちなみにサクマ式ドロップの佐久間製菓*1は池袋にある。


ちなみに西武鉄道にはもう一つ特殊な定期券があります。
それは高田馬場を利用したJRとの連絡定期券で、こちらは高田馬場からJR山手線で新宿方面に向かう場合と、高田馬場-西武新宿の2区間を選べるもの。
こちらもPASMOの通勤定期に限り発行ができる。


通学の制限をなくした学生定期券の発行By 名古屋市交通局


定期券の区分としては2種類に分かれます。
一つは『通勤定期券』でもう一つが『通学定期券』。
通勤定期券は通勤に使うものと思われがちだが、実際には全用途で誰でも買える定期券なのです。
だから『子供用通勤定期券』なんてのもあるんですよww
ではもう一つの『通学定期券』とはどんなものか?
これは通学のために発行する定期券で、通勤定期よりさらに割引率が高い定期券です。
ただし通勤定期と違って以下の制限があります。
(括弧内は通勤定期の条件)

自宅最寄り駅-学校最寄り駅までの範囲でのみ発行可能(乗車駅降車駅駅は自由)
経路は最短ルートで且つ合理的なルート、あるいはなにか納得できる理由が必要(経路は自由)
学校法人として認められた組織の、通学ルートをが認可された証明者と学生証が必要(制限なし)
年度が変わって最初の購入時に、必ず窓口で通学証明の提出して購入すること(制限なし)

結構制限があります。
たとえば学校が代々木にあって、自宅が東急東横線都立大学駅付近とします。
そうした場合『都立大学-渋谷経由-代々木』と買うのが一般的ですが、1駅人伸ばして新宿まで買えば、新宿にも行けます。
通勤定期ではこれは可能ですが、通学ではだめなんです。
しかも、買う前に先にこのルートで通学するという証明を学校側で貰わないといけません。
この証明書と学生証をもって初めて通学定期が買えます。
さらには4月を過ぎて最初に定期を買う場合は、通学証明をまた提出することになります。
これは年度が替わると学生でなくなる人がいつための対策ですが、通学証明は年度が変わるとまた学校側に証明をもらわないといけないんですね。
ですから結構面倒くさいです。


今回名古屋市交通局が採用するのは、これらの制限を撤廃した『学生定期券』という新しいタイプ。

学生定期券の新設について(名古屋市交通局)

これは学校法人に通う学生であるならば、通学以外の用途でも通学定期と同じ値段の定期を発行するもの。
この定期券を買う場合は学生であることが証明できればOKです。
ですから乗車駅も降車駅もルートも選択は自由で、買う時に学生証を見せて学生であることが証明できればいいということです。
3月1日から採用です。
これを導入した後、名古屋市交通局は通学定期の発行は行わないようです。
4月からの新入学生はこの定期で通うことになりますね。


車との共存を目指す?片道定期券
これは地方のバス事業者に多くみられる定期券で、1日に片道しか使えないもの。
域はバスだけど、帰りは家から車で迎えに来てもらうとか、そういった使い方をする場合に多い。
値段も普通の定期券の半額で設定されているところが多いです。


誰でも使える持参人式定期券By 都バス


普通定期券は券面に名前が書いてあり、その名前の人しか使えませんが、都バスは結構御前*2からやってます。
この定期券は名前の通り、持っている人が使うことができる定期で、普段は通勤で使っているが休日は家族が買い物にとかいう使い方もできる。
ちなみ名前の書いてある人しか使えない定期は『記名式定期券』などと呼ばれます。


以上、特殊な定期券の事例ですが、世の中にはまだまだ特殊な定期はあります。
いずれも有効活用すればそれなりにお得になるので、一度調べてみるのもいいでしょう。







*1:サクマ製菓とは別の会社

*2:1992年から、その前に京阪バスがすでに実施している